中国黒鉛電極輸出市場の変化
ICCの調査では6月に入って製鋼用UHP電極の価額は3.5~5万元/トンになり輸出市場も活況を呈してきた。下記の4つの特徴がある。
1. 輸出量の減少と輸出先の変化
輸出量は減少している。これは、日、韓及び東南アジアの需要先の安値注文に応じなくなったためである。一方、ロシア、南米及中東の輸出は安定推移しており、今まで、中国に対するアンチダンピング税を課しているインド、ブラジルなどの国の注文も増えている。
2. 売り手市場でスポット契約優先の傾向
第二四半期において黒鉛電極が値上りする中で、黒鉛電極製造企業は長期契約よりスポット価格の契約をする方向にある。新しい輸出価格は国内販売価格を超え、製鋼用UHP電極の価格は4~5万元/トンにある。
3. 決済は先払い優先の傾向
今までは黒鉛電極輸出の決済は30~90日の支払い周期があったが、現在は、100%先払いする傾向にある。
4. 中国の黒鉛電極品質で我慢する傾向
今まで、海外のユーザーは中国の輸出黒鉛電極に対して質向上を求めていたが、現在は供給源確保を優先している。
(ICC 2017年6月2日)